各ポケモン解説

★ムウマージ
積みアタッカー性能と、挑発による起点阻止性能を備える。シャドボ/わるだくみ/挑発までは確定とし、残り1枠に何を採用するかで非常に悩んだ。
基本的にムウマージは上記3つのワザで汎用性が確保できており、残りひと枠を自由に選ぶ余地があり様々な技を試した。そのなかで当PTと相性含め、実用性が高かったのは「こごえるかぜ/めいそう/かげうち」の3つ。これらを入れ替えつつ戦った。
以下、各候補技寸評。
こごえるかぜ
初手霊獣ランドロス/襷ガブリアス対面時、両者の封じ→ステロ展開を阻止出来る。これ以外に役立つ機会は殆ど無かったが、霊獣ランドロスの多い環境で、あって良かった場面は多かった。
めいそう
火ロトムとレヒレに強くなる。火ロトム対面ではめいそうでZオバヒを耐え、Zシャドボで落とせる。レヒレ対面は、わるだくみ→Zシャドボで突破出来るのだが、水Zで落とされてしまうことも結構な頻度であった。めいそうがあるとZ型、耐久型どちらにも対応出来るようになる。わるだくみと同時採用するのはもったいないように見えるが、十分な価値があった。
かげうち
ムウマージで対面相手を処理した後に出てくるミミッキュの皮を剥がせる。タスキ持ちにも刺さり、低ダメージながらもなかなか重宝。砂もステロ要素も無いこのPTにおいては貴重な要素。
★ドンカラス
PTの中で、最も初手選出に勇気を要するポケモン。外したら取り返しがつかない一方、的中させた時のリターンも大きいギャンブルポケモン。
レート環境最大火力のZブレバ使いでもあり、有利対面を作ってゴリ押す。メガボーマンダのすてみタックル耐え調整をしたポケモンを一撃突破出来る火力があり、意外と受けるのが難しい。自身過剰により、Zワザで一匹突破した後もう一度高火力技を撃てる点も強み。トリル下でのアタッカーとしての全抜き性能も高い。
※ブレバ最高火力保持者はすてみムクホークだが、Zブレバはすてみ補正が乗らないのでドンカラスが上回る。
S実数値を115まで引き上げ、耐久を引き換えに、レヒレ/フシギバナの先制を取れる確率を高めた。従来、レヒレがいるPTはトリル展開を挑発で封じられてしまい選出が出来なかったが、S調整により、新しい立ち回り選択肢を持てるようになった。自信過剰を発動させればHBレヒレもZブレバで高確率突破出来る。
一方、耐久を削ったことで「スカーフサザンドラのりゅうせいぐん」や「メガゲンガーのヘドばく+毒」を耐えられなくなるなど、立ち回りに支障が出るレベルにまで脆くなってしまった。このS設定が活きた試合もあったものの「やっぱりもう少し耐久が欲しい」と思う場面も多く、一長一短であった。
★トゲデマル
コケコに後投げしつつ起点に出来る性能が魅力。毒が入る相手ならば、読み次第で勝ち筋が拾えるポケモンで詰ませ性能が高い。メガバシャーモも、みがわりを残した状態での対面ならば、ニドガ+みがわりでフレドラ反動+接触ダメージを蓄積させられる。
ドンカラスとは別の意味で読み合いを発生させるポケモンで、みがわりとニドガの使用タイミングが勝敗を大きく左右する。
意外に思われるかもしれないが、PTのなかで最も3タテ(降参含む)の試合数が多い。
★ヤドラン
物理相手に投げ、状況に応じてトリルを貼って早めに退場する。火力に特化させ耐久を削ったことに関しては、トリルのターンを無駄に消耗しない意味でもプラスに働いたと思う。中途半端な火力と耐久でターンを無駄に消費してしまうケースが減った。
★キリキザン
襷メタバと積みアタッカーを兼ねた型。Dに下降補正をかけ、メタバのダメージ量を増やした。相手の努力値の振り方によっては「メガフシギバナのめざ炎」「レヒレのなみのり」程度の火力でも、メタバによる一撃突破も狙える。ボルトチェンジを受ければ、引き先が大抵一撃で落ち、メガリザードン対面でソーラービームを撃たれてもふいうち圏内までHPを削れる。ある程度の「メタバ警戒で打ったワザ」にもダメージが多く乗るのは有用だったと感じた。
後のダメージ計算で、ギルガルドのZシャドボでかげうち圏内。メガゲンガーのシャドボ+Dダウンシャドボを耐えなくなることを知ったが、このPTの場合特に気にならなかった。
PGLデータの「やんちゃ」は、筆者が使い始めるまで始めるまで使用率0%だったので、おそらく筆者しか採用していない性格であろう。
剣の舞はメタバを強く警戒してくる相手や、ナットレイなど遅い相手対面で腐らせない為の有用なワザ。ふいうち/メタバ/剣の舞で残り1枠。積んだ後に殴るワザの枠になるのだが、じごくづきを採用した。
はたきおとすは威力65止まりになるケースが非常に多く、Z/メガ枠同時選出を考慮すると、威力が上がる相手の方が少ない。そもそも、はたきおとしたい相手は、剣の舞+じごくづきで十分な役割を持てる。アイアンヘッドはタイプ上、積んだ対面相手への通りが悪いことが多く、使い勝手が落ちる。対面で積み「ふいうち読み交換をした場合に最もリターンが得られるワザ」としてもじごくづきが1番だと思っている。
「じごくづきがキリキザンのイメージと合う」も個人的には重要な点。実際使っていてカッコ良い。一度採用したら、はたきおとすの素っ気ないモーションには戻れなくなる。
★フェローチェ
ウルトラムーンを購入した1番の理由が「フェローチェ厳選ができる」ことであった。様々な型を試行錯誤した結果、上記の型に落ち着いた。
格闘/氷ワザは確定として、残り2つを何にするかで悩んだ。欲しかった条件は
A.初手対面で一撃突破出来る範囲の広さ。
B.ミミッキュ対面での剣の舞+かげうちを耐える(起点にされない)。
C.メガゲンガー初手対面時、一撃で突破出来る
D.コケコ初手対面時、一撃で突破出来る。
この4点。優先順位をA>B>C>Dとし、残り2枠と持ち物を考えた。まず、Cの条件を満たすために1枠は「ドリルライナーorじごくづき」の採用は確定。しかし、珠を持たせるとBの条件が満たせなくなってしまう。初手で対面相手を一撃で突破出来ても、死に出しミミッキュに剣の舞をされると皮を剥がしただけで「HP満タン且つZワザ温存状態のミミッキュ」が場に残ってしまう。これは最悪の展開で、初手で得たアドバンテージが消えると同時に、ミミッキュに全抜きされて負けてしまう。
フェローチェはHP満タン時「A+2特化ミミッキュのかげうちを最高乱数以外耐え」出来、珠ダメの有無が大きく影響する。HP満タンならば、死に出し対面でミミッキュが仮に剣の舞をしてきても、かげうちを一回耐えつつ、A上昇状態の物理ワザで削ることが出来る。この差は試合の勝敗に直結するほど大きい。
そのため、持ち物を珠には出来ない。Z石がAの条件を満たす上でも最有力と判断。
ZワザはAの条件を満たす目的を第一とした。
メガメタグロス/メガゲンガーにも刺さるZイカサマか、威力200で打て、連発の効くZギガインパクトが候補に挙がった。
どちらも魅力があったが、霊獣ボルトロス/メガリザードンY/ウルガモス等、威力175と200の差が活きる相手の多さ、Dの条件も満たせる点を買い、Zギガインパクトを採用。Cの条件が満たせなくなるが、ビーストブーストを発動させれば突破出来ると妥協した。
相手の耐久調整やスカーフ奇襲に脆く、選出するのが結構怖いポケモンであった。著者のPTの中で最もマークされるポケモンで、初手選出を予想されると想定しつつ選出を考えた。