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タケポケ道場

ポケモン対戦好きなおじさんのブログ

【第3話】のんちゃんのシングルレートポケ学【努力値調整の妙】

【7.調整の考え方】

【すばやさ調整を最優先に考えよう】

 

シズ:今回は努力値調整の話をしよう。まずは素早さからだ。

 

のん:素早は1違うだけで先手後手がハッキリするので、とっても大切なんですね。

 

シズ:そう。他のステータスも1違うだけで一定の影響変化はあるが、素早さのそれには敵わない。1違うだけで有利不利がカンタンにひっくり返ってしまうからね。

 

のん:なるべく上を取れるようにしたいですね。

 

シズ:のん。実はそうとも限らないんだ。確かに上を取れること自体にデメリットは無いんだが、努力値を素早さにたくさん振ると、その分火力・耐久に振るための努力値が少なくなってしまう。できることであれば、火力・耐久の為の努力値をたっぷり残せた方が望ましい。

 

のん:なるほど。でも素早さの方が大切なのではないでしょうか。ホラ。一発で上から倒せればノーダメージですし、受け出しする場合でも上から攻撃できた方が強いじゃないですか。

 

シズ:のんの言う通り火力・耐久・素早さのなかでは1番大切なのは素早さだ。だが、火力・耐久も大切だ。

努力値をどう振るか決める際の優先順位は”素早さ>耐久>火力”だ。その意図は「出来るだけ素早さと耐久の努力値を節約して、火力の為の努力値を絞り出すこと」

のん。このニュアンスを正確に掴んで欲しい。火力を確保する為に、素早さ・耐久への努力値は、火力の為にできる限りギリギリまで節約していくことが大事だ。

 

のん:???

 

シズ:こんがらがっているようだね。良いかい?繰り返すが、さっきのんが言った通り、素早さは最重要だ。だから、型を考える際はポケモンの性格含め最初に考えなければならない。

だからといって、何でもかんでも素早さに252振りしてしまったら、努力値のムダ使いになってしまう。このムダを意識して、削れる所は削ろうという訳だ。

 

のん:なるほど...ちょっとだけ理解できたような気がします。

 

シズ:素早さの考え方を今回は説明していくからしっかり理解してくれな。

 

のん:はい。がんばります。

 

シズ:大まかに分類すると「最速にすべきポケモン」「準速にすべきポケモン」「速くしすぎない方が良いポケモン」がいる。最速にすべきポケモンは妥協せず最速にするのが望ましい。

 

のん:どんなポケモンは最速にすべきなんですか?

 

シズ:素早さが強さに直結していて且つ、使用者の多いポケモンだ。例えばガブリアス。使用者が最も多いポケモンで、お互いガブリアス同士の対面になる試合も多い(ミラーマッチという)。

そんな対戦環境で、火力が欲しいからといってガブの性格を意地っ張りにしてしまうと、最速ガブリアス対面で何も出来ずに負けてしまう。地震読み受け出しをして勝ち筋を作ることさえも出来ない。ガブリアスミラーになった際、同じS実数値であれば、先手を取れる確率は50%だが、1でも低ければ100%後手になってしまう。勝率が50%→0%になってしまうんだ。

人気ポケモンは使っているプレイヤーも多く、ミラーになりやすいから素早さにこだわった方が良い。具体的に言えば、よほどのことが無い限りは素早さ102族~135族のポケモンは、素早さに上昇補正がかかる性格を採用して、且つ最速にするのが原則だと俺は思う。最低でも最速ガブリアス抜きに調整するべきだろう。

例外は化身ボルトロス・エルフーン・ファイアローぐらいだな。この3匹は特性で先制を取りやすいから、敢えて素早さを節約して火力・耐久に補正のかかる性格にしているプレイヤーも多い。後はこだわりスカーフを持たせた場合も例外かな。

 

のん:なるほど。ファイアローは特性でブレバを上から打てるので、素早さが最優先では無いってことですね。

 

シズ:そう。素早さよりもブレバの火力を1.1倍に高めた方が役立つと考えたプレイヤーが多いということだ。ただ、敢えて最速のファイアローを採用して、ミラーマッチで上から殴りやすくするっていう考え方もあるから、そこはプレイヤー次第だね。

 

のん:なるほど、面白いですね。

 

 

【ガブリアスを抜ける素早さはブランド】

 

シズ:さっきも言ったが、S102族以上のポケモンは、よほどのことがない限りはSに上昇補正をかけることが基本だ。素早いポケモンは対戦で人気が高いヤツが多く、ミラーマッチもそれなりに多い。例えばメガゲンガーも最速にすべきポケモンの1匹だ。

人気ポケモンはミラーマッチになる機会が多い。だからこと、一方的に不利にならないよう、きっちり素早さを振っておこう。しつこいようだが勝率50%と0%では全く違うからね。

 

のん:シズさん。ちょっと気になったのですが、S100族は最速じゃなくても良いのですか?

 

シズ:プレイヤーの方針次第だな。のんも知っての通り、100族には対戦で人気のポケモンが集中している。メガガルーラ・メガサーナイト・メガリザードン・ボーマンダ(メガ前)等様々だ。にもかかわらず、素早さに上昇補正をかけているプレイヤーもいれば、火力に上昇補正をかけているプレイヤーも多い。PGLによると、ボーマンダ・メガリザードンXは陽気より意地っ張りの方が採用率が高いというデータもある。

 

のん:どうしてでしょうか?素早さ表を確認してみましたが、100族のポケモンはたくさんいました。それなのに、これだとミラーになった際、一方的に倒されちゃいます!

 

シズ:いくつか理由があってな。一つは、火力(or耐久)に上昇補正をかけた方が素早さに補正をかけるよりも活きるケースが多いと採用者が判断した為だ。1発or2発で倒せるかどうか怪しい相手を火力補正をかけた結果、高確率での突破が見込める。全体的な役割期待度向上が期待できるんだ。

 

のん:全ての攻撃の火力が上がる分、多くの相手に対してより多くのダメージを与えられる方を選んだいうことですね。

 

シズ:そうだ。2つ目は、最速にするメリットの一つである素早さ種族値が少し上の準速ポケモンを抜く機会が殆ど無いと採用者が判断した為だ。最速100族にすると準速110族抜きが可能なんだが、環境に110族を準速で使っているプレイヤーが殆どおらず、最速の旨みが薄くなる。仮に、ラティオスやゲンガーが準速メインの環境ならば最速100族の価値は上がるんだがな。

 

のん:先程シズさんが話していた通り、110族は最速にすべきポケモンですからね...なるほど。

 

シズ:もう一つは、他の100族使いも最速にしないだろうから、自分もそれで問題ないと採用者が判断した為だ。

 

のん:え?最速にしないだろう...って、そんな理由ですか?

 

シズ:これがポケモンの妙でもあってな。サン・ムーンではどうなるかは分からないが「102族のガブリアスは最速。100族のポケモンはどうせ最速にしても、ガブリアスの上を取れない。ゲンガーやラティオス、テラキオン等110族付近のポケモンが最速でなければ最速にすることで上を取れるからアリだが、彼らは最速しかほぼ環境にいない。つまり、100族で最速にしても110族付近のポケモンを抜けるチャンスは実質ゼロだ。1.1倍上昇補正のボーナスも無駄になってしまう。だったら素早さを捨てて火力補正のかかる性格にして、100族未満のポケモンに対して相対的に強くなるようにしよう。かといって、100族のポケモンは対戦でよく見るし、S252振りをしているプレイヤーが殆ど。ミラーで一方的にやられるのはマズいから準速にしよう」

と考えるプレイヤーが多いんだ。

 

のん:102族のガブリアスの場合は最速が常識になっているのに、ちょっと下の100族ではこんなに意見が割れるんですか...うーん。不思議です。

 

シズ:不思議に見えるかもしれないが「他のプレイヤーも100族は最速にしないだろう」と判断して自分も最速にしないっていう考え方は十分アリだ。火力が上がるメリットは大きく、準速100族未満のポケモン全てに対して、最速とくらべて火力アップ分与えるダメージが増える。

「102族以上のポケモンの上を取るチャンスは無いからスッパリ諦め、100族より遅いポケモンをより高火力で殴ろう。ミラーマッチは準速同士のミラーで同速勝負が出来れば良いか。最速は妥協して割り切ろう

という具合にね。

一方で、そういったプレイヤーを見越して「最速100族のポケモンを使って、100族同士との対戦でカモにしてしまおう」って考えているプレイヤーもいる。

現状、ポケモンにもよるんだが、100族は最速・準速派で割れている。俺の印象では比較的準速派が多いなという印象だ。97族のサザンドラも臆病ではなく控えめが多い。

 

のん:へー。私だったら最速にしてカモにしちゃいたいですね。

 

シズ:それも一つの考え方だ。すばやさを調べてみれば分かる通り、例えば最速90族は準速100族を抜ける。つまり、準速100族を使うプレイヤーが多ければ、最速90族を使うことで、100族をカモに出来る可能性が高いんだ。素早さ種族値が負けているにもかかわらず、先手を狙うことも出来る。

ORAS環境では102族以上は素早さに上昇補正をかけ、100族以下は素早さor火力or耐久補正派に分かれ(どちらかというと素早さ補正派が少なめ)70族未満は、殆どのプレイヤーが、素早さ以外に補正をかけるのが流行だったと俺は解釈している。正解というのではなく"流行"というのがミソだ。

 

のん:なるほど...

 

シズ:BW/BW2世代ではな、キノガッサが猛威を振るっていた。使っているプレイヤーもすごく多かった。上からキノコのほうしを打てれば、XY/ORAS世代以上に優位に試合を運べたんだ。ねむり状態の仕様が今と違い、とても強力だったんだ。その為、キノガッサといえば陽気最速だった。

しかし、様々な仕様変化を受け、第6世代のキノガッサは意地準速で使うプレイヤーがメインとなった。最速にするメリットよりも、準速にして火力を高めるメリットの方が大きいと判断したプレイヤーの方が増えたんだ。もちろん最速で使っているプレイヤーもそれなりにいるんだが、今のガブのように、ほぼ全員が最速ってわけではなくなった。

 

のん:確かに。PGLのデータ(シーズン17)を調べてみたら、意地っ張りと陽気の使用率が2:1程度になっていました。意地っぱりの方が多いですね。

 

シズ:サンムーンでは新しいポケモンがたくさん登場する。そうだな。仮に95族でダークホールを使えるポケモンが新たに登場して大流行したとしよう。殆どのプレイヤーは、最速の型を採用するだろう。すると、ORAS世代では100族は準速 で運用する方針だったプレイヤーが、このポケモンの上を取るために100族のポケモンを最速にしようと考えるだろうな。

1匹流行のポケモンが登場するだけで、素早さの流行も変化する。準速と最速。どっちが正解っていうのは無い。PTのバランス含め、各プレイヤーの判断のしどころだね。

また、サンムーンでは麻痺した際のSダウンが1/4→1/2に変更されるから、それに伴って遅いポケモンの素早さ調整も起こり得るだろう。

例えばメガクチート。50族で無振りS 実数値が70だが、もしかしたら”マヒした準速100族抜き調整”で、S実数値を77にまで振るなんてプレイヤーも現れるかもしれない。それを嫌って100族を最速個体にするなんてプレイヤーが現れることもあるかもしれないね。

 

 のん:なるほど。他のポケモンの存在や環境で素早さが変化するなんて、面白いですね。そんななかで、ガブリアスを使っているプレイヤーの殆どが最速というのが奥深いですねえ。ガブリアスが主人公なんて書いてあった話を耳にしたことがありますが、何となく理由がわかってきた気がします。

 

シズ:そうだろ?素早さは「絶対に素早さで抜かれたくない相手を決め、同時に、抜かれても仕方ない相手は妥協する」ことも大事なんだ。

例えば準速100族ってのは最速90族や最速100族に先手を取られることを妥協する要素と、準速100族同士との対面で一方的に負けたくないという、妥協できない要素が混在している。メガリザードンXを使うなら、最低でも準速にしておいた方が良いだろう。100族との対面での勝率が絶望的になってしまうからね。

 

のん:はい。分かりました。けれどもシズさん。メガガルーラは準速ではない型も多いみたいなのですが、何故でしょうか?1番人気のメガシンカポケモンですのに。

 

シズ:高火力の先制技が打てるからというのもあるが、一番の要因は、秘密の力が流行った為だと思う。結果を出した人が紹介して一気に採用者が増えたんだ。火力・耐久に努力値が厚く振られており、結果としてSが低くなった。

ただ、ORAS環境では主流型の一つであったが、サンムーンでは火力減少で秘密+ふいうちでガブリアスが落ちなくなるのが痛く、使用者は一気に減りマイナーな型になると俺は予想している。再び最速or準速型が中心になるんじゃないかな。

クレセリアの受け出しをゴリ押して生き残る為の調整ガルーラも存在したが、火力ダウンで落ちなくなるから減るだろう。グロパン不意打ちの火力も一気に落ちるから、最高火力の捨て身タックルや運で突破できる岩雪崩で上から殴る型が主流となると思う。

 

のん:なるほど。

 

シズ:最後は"速くしすぎないほうが良いポケモン"だ。これは、素早さに努力値を振っても無駄になってしまいやすいポケモンを指す。

目安として60族以下のポケモンは素早さの努力値をなるべく節約する方針にした方が活きることが多い

 

のん:そういうものなんですか?

 

シズ:ああ。例えばニンフィアを採用するとしよう。この素早さ付近でメジャーなポケモンは、同速のポリゴン2、61族のバンギラス、65族のハッサムあたりだ。多くのプレイヤーはこう考えるだろう。

「ニンフィアはよく見るポケモンなので、ミラーで上を取りたい。ついでに耐久振りバンギも抜ける。かといって、Sを振りすぎても65族・70付近のポケモンで相手したいポケモンも特にいない」

つまり、ニンフィアがSを振る一番の理由は、ニンフィアミラー対面で上を取るためということになる。

 

のん:ニンフィアは準速にまでSを振るのはダメなんでしょうか?

 

シズ:準速にするとS実数値は112。人気ポケモンのなかでは、無振りFCロトムやクレセリアあたりは上から殴れるかもしれないね。

一方で、ニンフィアの場合(60族の場合)それ以外の相手対面では、素早さをたっぷり振ろうが全く振るまいが、先手後手が変わるケースが少ないんだ

それよりも、耐久に努力値を振って相手の攻撃を2回以上耐えられる範囲を広げた方が良い。60族は遅い。受け出しした後にもう一回殴られるケースが多い。その際に耐久が活きるんだ。HP252振りとH無振りでは、HP実数値が32も変わる。当然、相手の攻撃を耐える回数が変わる(確定数がズレる)ことが多い。素早さが高いポケモンは、受け出しして次ターン先制で攻撃できるが、遅いポケモンはそうではない。相手の攻撃を2回耐える必要があるんだ。だから、素早さよりも耐久に努力値を振った方が活きる機会が多い。

 

のん:なるほど....確かに遅いポケモンは攻撃を受ける回数が多くなりますね。

 

シズ:ニンフィアの場合、準速100族のポケモンのように素早さをガッツリ振った所で上を取れる相手は少ない。メガサーナイトの場合は、準速にすれば準速90族も最速80族もまとめて先制を取ることが出来るから素早さ振りが活きる。

だが、ニンフィアの場合は準速にしても準速70族は抜けないし、そもそも60族未満のポケモンがガッツリ素早さを振ってくるケースは少ない。素早さに振った努力値が丸々無駄になってしまうんだ。

 

のん:なるほど。

 

 シズ:理想は相手より1だけ素早いことだ。少なくともニンフィアのミラー対面なら、先制が絶対的に優位だ。でも、すばやさを振りすぎると努力値をどんどん消費していってしまう。ニンフィアの場合は無振りだとS実数値80。のんだったらどこまで振るかい?

 

のん:そうですねえ...。HC252振りで余りをSに4振るプレイヤーが多いと思いますので、その上を取って82、いえ、同じように考えている人がたくさんいるハズですので83...と考えている人がいることを想定して...84にします。

 

シズ:ハハ。ずいぶん悩んだみたいだね。実際、考え出すとどんどん素早さを上げたくなってくるだろう?どこまで上げるかはプレイヤーの考え方次第だ。510と決められた努力値をどう振るか。悩みながら試行錯誤しながら考える。これが対戦の面白さの一つだとも思っている。ちなみにな、のん。俺だったら87まで振るぜ。

 

のん:!!!

 

シズ:もっとも、87が正解という訳じゃない。耐久・火力をギリギリまで高める為、Sに一切振らずに80にするという考え方もある。

 

ニンフィアとミラーになった場合は87あたりまで振っておけば超有利だが、それ以外の全てのポケモンに対しては素早さに努力値を回した分耐久・火力を伸ばせず、相対的に弱くなってしまうからね。実数値7。これをHPに回すと耐える耐えないかギリギリの攻撃を受けた際に影響する。

88以上に素早さを振ってくるプレイヤーもいたりするから、これでもミラーマッチに勝てるとは限らない。あくまでも勝てる可能性が高いだけなんだ。今はまだ、あまりピンとこないかもしれないが対戦していけば分かるハズ。大切なのは、自分で考えて素早さを設定する。これに尽きるな。

 

のん:なるほど。敢えて素早さに努力値を振りすぎないことも大事ってことですか...奥深いですねえ。

 

シズ:このポケモンで欲しい素早さをキッチリ決めておくことが大事でな。どうしても素早さが欲しいと考えたならば、鈍足ポケモンでも準則・最速にするというのもアリだ。これを考えるのも型作りの楽しみだな。

 

 

【まとめ】

ポケモンは

A.性格補正をかけてでも最速にすべき

B.準速にすべき

C.素早くしすぎない方が良いポケモン

の3種に分かれる。素早さは最重要なステータスだが、いくら振っても勝てない相手には勝てない。どこかで素早さを妥協して火力・耐久を高める判断が大事。

・第5世代→第6世代キノガッサのSライン変化のように、仕様・環境の変化で流行りの素早さは変わる。第7世代でも仕様・環境変化で意識すべきSラインは変わり得る。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 【8.耐久調整の妙】

シズ:今回は耐久調整についてだね。

 

のん:はい。よろしくお願いします。早速ですが、耐久調整のメリットとコツを教えて下さい。

 

シズ:メリットは、活躍期待度を変化させられる点だ。一番分かりやすい例が、Fランクの"縛られ敵"をBランク”対面仮想敵”に出来ることだ。耐久無振りでは一方的不利だった相性関係をひっくり返すことが出来る。

 

のん:なるほど。

 

シズ:例えばマフォクシーでファイアローを”対面仮想敵”にしたいと考えたとしよう。"対面でハチマキブレバを耐え、サイキネ+反動ダメでファイアローを落とす"ことを目標にしようか。ファイアローは意地HA252を想定した。

 

のん:はい。

 

 シズ:マフォクシーは、耐久無振りだとファイアローのハチマキブレバで落ちてしまう。交換読みで技を打っても返り討ちにあってしまう。いわゆるG"絶対的天敵"だ。

 

のん:ダメ計を回してみますと...(カチカチ...)えっと、106%~126%の確1ですね。

 

シズ:そう。無振りでこの程度のダメージであれば、耐久に努力値を振ることで、1発耐えを狙うことができるんだ。25%程度のダメージだったらHB調整で減らすことが出来る。

タスキを持たせるという手もあるけど、耐久調整+別のアイテムを持たせた方が良いケースもある。だた、今回の考え方として知っておくと、PTづくりの幅が広がるから、しっかり覚えておこうな。

 

のん:はい。

 

シズ:耐久調整にはいくつかの重要なポイントがある。

一つは、必ず高KPポケモンの攻撃技を調整の対象にすることだ。ファイアローのブレバは使用者が多く、調整の価値が高いから積極的に考えていきたい調整対象の一つだ。

もう一つは、なるべく少ない努力値で実現できるようにすることだ。

 

のん:素早さと同じく、努力値の節約を図るという訳ですね?

 

シズ:そう。あくまでも努力値振りの考え方は

「素早さをどこに設定するかを最優先で決め、その後耐久調整を考える。出来る限り素早さ・耐久調整で使う努力値を節約し、火力に多く努力値を回せるようにする」だ。火力を出来る限り確保するため、努力値を節約できる所はする。妥協するべきと判断したらする。どうしても妥協できない場合はしない。

これが悩み所で、面白さでもあり、各プレイヤー判断のしどころでもあるんだ。

 

のん:シズさんは普段どのような形で考えるのでしょうか?

 

シズ:まず最初に素早さラインを決める。

「マフォクシーはS104族。ガブを抜くことが出来る。一方で、素早さを落として性格を控えめにして、Sラインを妥協して火力を高めるというのもアリかもしれない。準速にすると最速91族相当。最速90族は抜けるから初手ルカリオまでは上を取れる。だけども、今回はガブを上から一回殴れる要素も欲しいから臆病にしよう」という具合にね。ガブ抜きには臆病S244振り以上が必要だ。

さっき、102族~135族は最速にした方が良いと言ったが、マフォクシーは104族。マフォクシーを使っているプレイヤーは少なくミラーの機会も無い。104族にはニャオニクスもいるけど、どうせ特性の関係で先手は取れないから関係ない。だから、僅かながらでも努力値を節約し、最速103族相当にしても差し支えが無いと判断。よって、S244振りに決めた。この時点で残り努力値は510-244=266だね。のん。ここまでは大丈夫だね?

 

のん:はい。大丈夫です。

 

シズ:続いて耐久調整を考えていく。ダメ計ツールで試算したら、H252振りをした場合、ハチマキブレバが25%の乱1と算出された。

努力値が12余っているから、残りをCに振るとしようか。耐久無振りでは完封されてしまっていたが、75%の確率で耐えて殴れるようになった。ステータスはこんな感じになる。

 

マフォクシー1  182(252)-xx-92-136(12)-120-170(244)

【備考】最速ガブ抜き。特化ハチマキアローブレバ25%乱1

 

のん:なるほど、これが耐久調整ですか。

 

シズ:いや、これではまだ不十分だ。25%の確率で落ちるってのは仮想敵に指定した割にはまだまだ不安があるし、そもそも火力に殆ど努力値を振れていない。ハチマキブレバを耐えた所で、返しのサイコキネシスの火力が無く、結局負けてしまう。

 

のん:火力アップアイテムを持たせてはいかがでしょうか。プレートや珠あたりを持たせてみては?

 

シズ:そうだね。珠を採用すれば相討ちが見込めそうだ。プレートもアリだと思う。今回は珠を候補にしようか。

だが、ダメージ計算結果によると、どうもこのC実数値ではHAファイアローは倒せないようだ。耐久無振りなら高確率で落とせるみたいなんだがな...。つまり、調整したのに勝てない型となってしまう。これでは実用性は低い。そこで、次に火力の為の努力値を絞り出すことを考えていく

 

のん:でも、素早さ・耐久で努力値はパンパンです。どうするのでしょうか?

 

シズ:方法の一つとして、Hの努力値を削ってBに回すというのがある。マフォクシーの種族値ならば、HよりBに振った方が物理耐久向上の効率が高くなる。

一方で、H実数値が高ければ特殊耐久も同時に向上するから出来ればあまり削りたくない。ファイアローを仮想敵にしたものの、特殊耐久もあれば他のポケモンも仮想敵に出来るかもしれない。このへんは悩みどころだね。ダメ計を使いながら、H実数値を1減らしてB実数値を1増やして...というのを繰り返していくと、どこかで”最も努力値効率の良い調整”が出てくる。

のん。実際にダメ計で試算してみてくれ。

 

のん:はい。えっとファイアローとマフォクシーのデータを入力して...意地ハチマキブレバと...。

 

・マフォクシー H252 25%乱1

・マフォクシーH244 B4 25%乱1

※ここでHB合計努力値が252→248に

・マフォクシーH236 B12 31.3% 乱1

 

のん:あれ?シズさん。落ちる可能性が高くなっちゃいましたよ?

 

シズ:続けてみてくれ。

 

のん:はい。

 

・マフォクシー H228 B20 18.8%乱1

のん:あ。シズさん。25%より低くなりました!

シズ:うん。もっと続けてみるんだ。

のん:はい。

 

・マフォクシー H220 B28 18.8% 乱1

・マフォクシー H212 B36 18.8% 乱1

・マフォクシー H204 B44 6.3% 乱1

・マフォクシー H196 B52 6.3% 乱1

・マフォクシー H188 B60 6.3% 乱1

・・・

・マフォクシー H156 B92 確2

 

のん:あ。シズさん。とうとう確定耐えになりました。

 

シズ:こんな具合に、同じ量の努力値でも、振り方しだいで耐久力をギリギリまで高めることができるんだ。

ただ、さっきも言った通り、HP実数値が減っていくから、特殊耐久はそれに伴い減少していく。物理特殊耐久両方を考慮したい場合は、出来るだけHPを確保しつつ、狙った耐久を確保出来るラインをダメ計をいじりながら探すと良いだろう。H204 B44とH188 B60がどちらも6.3%の乱1だった。どちらかを選ぶんだったら、H実数値が2高い前者の調整にした方が良いね。

 

のん:なるほど。奥が深いですね。

 

シズ:のん。ここから更にHを減らしてBを増やしていくと物理耐久が高まっていく。すると、努力値を252(248)使わなくても狙った耐久を得ることも出来るんだ。

 

・マフォクシー H132 B108 確2

 

 ほら、努力値をHB合計で240しか使っていないのに確定耐えが出来た。絞り出した努力値8を火力に振れるようになったね。これで実数値1ながら、特攻ステータスを上げることができた。この絞り出すという感覚を知っておいて欲しい。

 

のん:本当に絞り出すという感じですね。ですが、シズさん。1しかCが上がってませんが、これでは殆ど意味がないのでは?

 

シズ:1,2程度じゃあ殆ど変わらないだろうな。バカみたいに見えるかもしれない。だけど、この過程を経ていくことで、火力への努力値をギリギリまで絞り出すだすことが出来る。

耐久調整とは、火力の為の努力値をギリギリまで絞り出す為のものだと俺は考えている。HB特化とは異なる考え方だ。ただな、絞り出し続けていけばもっと火力を高めるチャンスはあるんだ。

 

のん:そんなものなんですかねえ...

 

シズ:マフォクシーはD種族値が高いから、特殊耐久方面も意識した方が良いポケモンだ。Hを削ってCを絞り出すよりも、Hを多めに確保しておいた方が使いやすいポケモンだと言える。ポケモンによってはBかDかをどちらか片方だけ厚く調整して片方を捨てるということも選択肢に入るが、マフォクシーの場合はそれだともったいなさそうだ。

ここまで、Hを減らしBを増やして物理耐久の向上と努力値の絞り出しをやってきたが、視点を変えて、特殊耐久方面も考えてみよう。マフォクシーの弱点である悪・霊攻撃を耐えられるかが気になったのでダメ計を回してみた。

メガゲンガーのシャドボは耐えられないので諦めるとして、他を考えた所、控えめサザンドラの悪波が気になった。サザンドラはマジカルシャインで4倍弱点がつける。スカーフ持ちでも勝てる調整にするのは価値がありそうだね。

 

のん:そうですね。

 

シズ:ダメ計を回した所、H164とD12振ることで、控えめサザンドラのあくのはどうを確定耐えできることが分かった。H実数値をこれ以上落とすとこの確率が落ちるから、H164を確定にした。

のん。今回は対ファイアロー調整をメインにしているが、調整中に他のポケモンへの活躍期待度を高めることが出来ないか、脱線しながら考えていくのも大事だと俺は思っている。最初は意識していなくても、今回の「サザンドラを縛り対面仮想敵にできそう」といったように、他のポケモンと対面した際の性能も意識して両方に活躍できる型を考えていった方が、使い勝手が上がるから、脱線も気にせずガンガンすると良いだろう。さて、この脱線を踏まえて、下のような努力値振りになった。

 

マフォクシー2 171(164)-xx-92(76)-136(12)-122(12)-170(244)

【備考】最速ガブ抜き。特化ハチマキアローブレバ6.3%乱1 特化サザンドラ悪波確2

 

のん:1の調整に比べて対ファイアローへの耐久力が上がりましたね。

 

シズ:ああ。同じ量の努力値でも、振り方しだいで随分変わるだろ?

 

【耐久調整を妥協して火力を追求する選択肢】

 

シズ:ただ、これでは結局HAファイアローを落とす為の火力が足りない。結局対面しても負けてしまう。これだと、せっかくダメ計をいじりながら考えた調整をした意味がなくなってしまう。

 

のん:うーん。でも努力値はこれ以上振れないですし、どうすれば良いのでしょう?

 

シズ:思い切って耐久調整を妥協することだ

 

のん:え?

 

シズ:例えば、現状、ハチマキブレバが6.3%乱1。つまり約94%の確率で耐えるんだが、これをもう少し妥協する。Bの努力値を削って、ブレバで落ちる確率を増やす代わりにCに回す。ダメ計を使ってB実数値を1ずつ減らしていく。B76→60にすることで、25%の乱1。75%の確率で耐える。これで妥協してC実数値を稼ぐという方法だ。

 

マフォクシー3 171(164)-xx-90(60)-138(28)-122(12)-170(244)

【備考】最速ガブ抜き。特化ハチマキアローブレバ25%乱1 特化サザンドラ悪波確2

 

のん:うーん。シズさん。C実数値を2上げてもダメージは殆ど変わらないのに、ハチマキブレバで落ちてしまう確率が6.3%→25%というのは割にあわないのではないでしょうか?

 

シズ:そうだね。特にマフォクシーの場合、B種族値がさほど高くないから、1削るだけでダメージが大きく増えてしまうから、のんの言うとおり、確かに割にあわなさそうだ。

 

のん:では、この方法では...

 

シズ:ダメだな。そうなると、次は...。よし、思い切ってハチマキブレバ耐えを諦めて、珠アローブレバ耐えに妥協しよう

 

のん:ええっ?!

 

シズ:思い切って最初に想定した調整を放棄して、他の低火力の攻撃技の調整に妥協する判断も大切だ。調整相手への性能を大きく損なうと判断したならば、そもそもその調整対象の設定に無理があったということでもある。スッパリ諦めてしまうことも重要なんだ。

マフォクシーは特性もあわせて高火力で押していけるポケモン。出来る限り火力に努力値を割きたい。ハチマキファイアローと対面時に耐えるメリットの為だけに火力をここまで削ると実用性を損なう。

確かに、最初は襷を使わずにファイアローを対面仮想敵にすることを目指した。けれどもマフォクシーの実用性を損なうので珠アローまでの火力ならば耐えまで役割を妥協して火力確保を狙った。

ダメ計を回してみると、3の型のBを丸々削っても珠ブレバを確定耐えすることが分かった。耐久無振りでは56.3%の乱1だから、耐久調整の意義もある。耐久努力値を節約した分、努力値をCにたっぷり回せるようになる。H実数値をいじっていないから、対サザンドラ性能は維持できる。特殊耐久を維持しつつ、最低限欲しい物理耐久ラインを下げ、火力の増大を狙ってみようか。

 

マフォクシー4 

171(164)-xx-93(4)-145(84)-122(12)-170(244)

【備考】最速ガブ抜き。特化珠アローブレバ確2 特化サザンドラ悪波確2

 

のん:おおっ。先程とステータスが大きく変化しましたね。

 

シズ:そうだね。当初の目的とは変わったが、「ハチマキ以外ならばアローの攻撃を1発耐えて殴れる」マフォクシーになった。こういう風に、考察中に耐久調整ラインの妥協も考える選択肢があるってことを頭に入れておいて欲しい。火力は上げた分だけ攻撃出来る全ての相手に対する活躍期待度が相対的に向上する。攻撃をした相手全てに対して火力アップの恩恵を受けるので、火力upは耐久upに比べて、絶対的に活きる相手が多くなる。

マフォクシーは特性”もうか"で高火力の炎技を打てる機会も多い。火力をウリに出来るポケモンだから、出来る限り火力の為の努力値を絞り出した方が良いだろうな。

さて、今回の例ではダメだったが、本来耐久調整は、活躍期待度で言えばF縛られ敵→B対面仮想敵orD抵抗可能敵に変える要素がある

出来ることならば耐久調整をするからにはB対面仮想敵に出来るよう耐久・火力の確保を考えて欲しい。俺の経験上、耐久調整でD抵抗可能敵止まりだと、失敗作になる傾向が強い。「とりあえず一発耐えた。でもこちらの攻撃で相手を倒せなくて2発目の攻撃でやられた」これでは弱い。しかも受け出しが出来ないからピンポイントな場面でしか役に立たない上に、想定通りの展開になっても負ける...では。虚しい。俺自身もよく陥る。のんは、そんなことにならないようにな。

 

のん:はい。分かりました。

 

シズ:活躍期待度で言えば、今回のマフォクシーはハチマキアロー→F/珠アロー→B/サザンドラ→BB/という評価をつけた。耐久無振りではとても怖くて選出できなかったマフォクシーが、珠なら...となるだけでも立ち回りのしやすさが全く違う。

もちろんハチマキだと一方的に負けるので、それを割り切るという不安定さは残る。だから「耐久調整をしたけれど、出来るだけファイアローとの対面を作らないようにしよう」と意識して立ち回ると良いかな。事故で初手対面等してしまった場合でも勝てるチャンスすがある...位に考えておくと良いかな。耐久調整をしっかり行うことで、このポケモンがどんな攻撃を耐えるか・耐えられないかを把握できる。これが大きいんだ。

 

のん:なるほど...。では、これで完成ですか?

 

シズ:できることなら、育成する前に、高KPポケモンや気になったポケモンへの活躍期待度を簡易的に評価しておくことを薦める。その際、もう少し火力・耐久を振れば相手に出来るポケモンもいるかもしれない。これは、次回話す火力指数を活用すると良いだろう。場合によっては素早さを削って根本的に考え直すというのもアリだ。

前回の素早さの話で、ガブはほぼ確実に最速、100族以下は準速と最速に分かれ、準速が多い傾向だと話しただろう。つまり、マフォクシーは準速にしても100族を抜ける可能性が高いってことでもあるんだ。準速にすると対ガブへの活躍期待度がGランクになるが、先制をキープ出来る相手には相対的に強くなる。火力に補正をかける方が使い勝手が良いかもしれない。準速100族抜きではなく、もっとSを落として耐久・火力を確保するというのもアリかもしれない。臆病では実現できなかった対ハチマキアローを仮想敵に出来るようにもなるし、もっと耐久を振れば、メガミミロップあたりも対面仮想敵に出来るかもしれない...と、脱線して考え直すのもアリだ。

結局、これが正解って調整は無い。各プレイヤーの自由な発想で、様々な視点から考えて試行錯誤するのが良いだろう。

 

のん:なるほど。

 

シズ:この方法は特に、好きポケを活躍させる為の方法を考える際に大きな力を発揮する。勝つことを目指しつつも、このポケモンを採用して勝ちを目指すという戦い方を好む人には知っておいて欲しい方法だと思う。この調整方法を身につけておくと、自身の好きポケで「誰を仮想適にできて、誰は出来ないか。出来ないことは無いが弱い型になってしまうか」といった判断材料に出来る。「~に強くて~に弱い」という要素を自身でコントロールできる。だから、さっきのマフォクシーのように、自由に仮想敵を決め、変更もできる。

多くのプレイヤーに研究され尽くしているポケモンにもこの調整法は有効だが、それ以上に未開拓なポケモンをどう活かしていこうかを考える際に役立つから知っておくと、採用できるポケモンの絶対数が増えるんだ。

 

のん:なるほど!

 

【まとめ】

・耐久調整をすることで、F縛られ敵→B.対面仮想敵という具合に、活躍期待度を変化させることが出来る。

・耐久調整相手は高KPポケモンにすることが基本。

・調整先に定めたポケモン以外への活躍期待度を相対的に高める為、火力の為の努力値を出来る限り絞り出すことが重要。

・耐久調整を考えながら脱線して、他のポケモンへの耐久調整の両立などを検討していくと、そのポケモンの実用度が上がりやすく、耐久を把握できるので立ち回りに活きる。

 ・耐久調整に無理があったり他ポケモンへの性能が損なわれると判断したならば、その耐久調整を諦める判断も必要。特に、アタッカーで火力への努力値が殆ど確保できなくなった場合は注意。

 

 

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【9.高レートを最短で達成したければ】

 シズ:過去にポケモン対戦をテーマにした講座をいくつか書いてきたが、「こうすれば勝てる」ではなく「これを知っておけば強いプレイヤーとも勝負が出来るようになる」ための知識を教える方針を通してきた。「好きポケでレート上位を目指そう」「選出・立ち回り講座」「受けループ対策を考えよう」いずれもこの方針で書いた。「この通りにやれば勝てる」というのではなく「これを知っておけば自分で試行錯誤する際に役立つ」という趣旨で書いてきたつもりだ。

 

のん:そういえば、最初にそう書かれてましたね。「勝つ為の方法」ではなく「勝負ができるようになる為に必要な知識」って。

 

シズ:ああ。もし俺が「初心者が最短で高レートを得る方法」を聞かれたとしたら「レート上位常連者直近のPTを真似して作り、そのPT作者本人(Aさんとする)に直接指導を仰ぐことだと答える。実際に会うなりスカイプなり利用して、本人に対戦画面を見てもらいながらレートに潜るんだ。

 

のん:なるほど。

 

シズ:選出・立ち回り一手ずつ全て、自分の心中で次の手を決めた後、Aさんに次の一手を尋ね、指示通り立ち回る。自分の考えと違った場合でも全てAさんの指示を優先する。自分で先に考えつつ、Aさんに実際の試合をやってもらうって訳だ。この時、意見のズレがあれば適宜質問してみると良いだろう。

 

のん:実質Aさんの試合を観戦するってことでしょうか。

 

シズ:そうだ。重要なのは、Aさんに指示を仰ぐ際、Aさんの指示があるまでは自分の意見を言わないことだね。

 

のん:どうしてでしょうか?

 

シズ:先に行動を言ってしまうと、少なからずAさんの思考に影響してしまうからだ。ポケモンは、一手ごとに選べる手は一つだけ。こちらの意見が無ければAさんは別の一手を選んでいたかもしれない。そうなると、この方法の意味が無くなってしまう。Aさんの考え方を観察しつつ、自分の意見とのズレを知ることが一番重要だからな。もちろん、自分で考える前にAさんに次の一手を尋ねるのもいけない。

 

のん:なるほど...。

 

シズ:Aさんは実際にその選出・立ち回りで高い勝率を叩き出せたのだから、一定のパターンを知ればPTへの理解が早まる。もちろん強い人であっても負ける時は負ける。指導を受けている間に負けが込むことだってあるだろう。たとえそうなったとしても、協力頂いたAさんには深く感謝しないとな。この方法は協力者に対して大きな負担がかかる。負けが込んだ際に気まずくなりかねない。

 

のん:確かに。私だったら意識してしまい、いつもの立ち回りが出来ないかもしれないです。

 

シズ:「初心者が最短で高レートを達成する」だけならば、強い人のPTと思考を直接なぞることが一番だろう。強いPTで強い立ち回り方を覚えてしまう。

「この並びなら~を選出して、この対面なら経験上その技を打った方が良い」といったPT作成者本人の立ち回りの方針を掴み取る。Aさんと同じ思考で立ち回りが出来れば、結果としてレートは上がる。

 

のん:なるほど...。

 

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【10.確率にこだわる】

シズ:のん。ここまでで素早さ・耐久調整・HP実数調整等、努力値振りを説明してきた。何故こんなことをするかと言えば、確率を自由にコントロール出来る選択肢を得られるからだ。
 
のん:確率のコントロールですか。
 
シズ:ああ。ところで、のんは火炎放射と大文字。PPは考慮しないものとしてどちらをよく採用するかい?
 
のん:うーん。大文字でしょうか?
 
シズ:では、10万ボルトとかみなりだったらどっちを選ぶ?
 
のん:10万ボルトですね。
 
シズ:今ののんのように、ポケモン対戦では、技一つにも確率とリターンを秤にかけて判断していく。命中85%だったら多少のリスクを負っても高火力技なだいもんじを採用し、命中70%は威力に対してリスクが大きいから安全な10万ボルトを選ぶって具合にな。最も多くのリターンが得られるように意識するのが、対戦では重要になるんだ。 
 
のん:なるほど。
 
シズ:ダメージ計算ツールを使って出てくる"乱1"。一発で瀕死になる確率なんだが、この確率が、実は以下のような一定間隔で刻まれているんだ。
 
★確定耐え~乱1~確1の確率
 確定耐え→6.3%(=最高乱数以外耐え)→12.5%→18.8%→25%→31.3%→37.5%→43.8%→50%→56.6%→62.5%→68.8%→75%→81.8%→87.5%→93.8%→確1
 
のん:そういえば、28%,29%の乱1等の結果を見たことが無いですね。31.3%の次は25%か一気に18.8%乱1と出ます。
 
シズ:乱1ラインはおおよそ6%ずつ刻まれている。つまり調整をすることで6%刻みで確率を操作できるんだ。逆に火力を削ると乱1の相手を落とせる確率が6%刻みで落ちていく。このバランスを上手く考えるのが育成の楽しさでもあるんだ。
 
のん:なるほど。シズさんがステータス実数値にここまでこだわってきた理由が分かってきたような気がします。
 
シズ:だろ?実数値が1違うだけで6%確率が変わることがある。確率は高いに越したことは無いからな。
 
ちなみに、火力や持ち物・種族値次第では1実数値が変わるだけで2つ以上のラインをズレることもある。A実数値を1増やすだけで50%乱1→62.5%乱1なることもある。12%もズレるってことだ。ダメ計を回してみると、思わぬ発見があるから試行錯誤してみると良いだろう。
 
のん:はい。
 
シズ:構築記事に目を通していると、プレイヤー毎に、確定耐え派・最高乱数以外耐え派・もっと妥協した耐久調整派に分かれていることにも気付いたのではないかな。これも各自のリスクリターンの判断でどれが正解っていうのは無い。各々決めれば良いし、調整の面白さでもあるんだ。
 
のん:シズさんは何派ですか?
 
シズ:使うポケモンにもよるが、12.5%乱1までは安心して耐えると考えている派かな。努力値に余裕が無い場合はここで妥協することが多い。急所を考慮するともう少し落ちる確率は上がるんだが、経験上、期待通り耐えてくれる。
のん:うーん。急所込みで15%以上の確率で落ちるって不安じゃないですか?
 
シズ:そこはプレイヤー次第だな。
 
のん:私はキッチリ確定耐えさせたいと思います!
 
 
【さらに実数値にこだわる】
シズ:のん。第0回で取り上げたガブリアスだが、
183-182(252)-116(4)-xx-95-169(252)
という調整だった。これが主流なんだが、どうして努力値4をHではなくBに振っているか分かるかい?
 
のん:そういえば、構築記事を読んでいて殆どの方がガブリアスには努力値の余りをBに振ってたのが気になってたんです。どうしてでしょうか?
 
シズ:のん。184と183をそれぞれ8で割ってみてくれ。
 
のん:はい。...183÷8=22.875 184÷8=23ですね。
 
シズ:そう。184にすると8で割りきれる。これを嫌い、殆どのプレイヤーがHに努力値の余りを振らなかったんだ。
 
のん:???
 
シズ:やけど・やどりぎのタネ・どく状態を受けると毎ターン、受けたポケモンの最大HPの1/8のダメージを受けるだろ?このダメージがHP実数値183なら22、184なら23になるんだ。つまり、1ダメージを多く受けてしまう。ダメージを少しでも軽減する為にHP実数値にこだわっているという訳だ。
 
のん:22.875だと、四捨五入すると23になりますが、されないんですか?
 
シズ:されない。小数点以下は全て切り捨てられる。この仕様を利用して少しでもポケモンの性能を高めようとする調整が存在するんだ。今回のガブは”8n-1調整"と呼ばれている。8で割りきれるH実数値-1の数値がトクになると考えられている為だ。
 
のん:シズさん。仮にH実数値を184にして火傷ダメージを一回受けてもH実数値が1上がっているので実数値183の場合とトントンじゃないですか。確かに2ターン目以降は1ずつ差が開いてきますが、そのケースは殆ど無さそうですし、Hに振ることで物理耐久だけでなく特殊耐久も上がるH振りの方が良いのではないでしょうか?
 
シズ:そうだな。今回のガブリアスは、特に耐久調整を決めている訳でもない。だが、ガブリアスの場合はH,DよりもBに振った方が、僅かながら活きる機会が多いんだ。本当細かい話だがな。
 
のん:そういえば、DでもなくBに振っている人が殆どでしたっけ。
 
シズ:Bに振った方がDに比べ乱数がズレる相手が多い。ダメ計を回した所、メガガルーラ・メガボーマンダのすてみタックルだったり、腹太鼓マリルリ・剣舞いメガクチートの先制技だったり、Bに4振った方が、HとDに比べ、僅かながら活きる相手が多かったって訳だ。
 
のん:凄い世界ですね...
 
シズ:今回のガブは”8で割り切れる数値-1”で、ポケモン対戦界では"8n-1調整"という形で呼ばれていると、さっき言ったね。同様に、いのちの珠の反動ダメージを軽減する為の"10n-1調整"、ファイアローやウルガモスがステロ2回でやられないようにした"2n-1調整"などがある。いずれも定数ダメージを少しでも減らす為の調整だ。
 
のん:なるほど。
 
シズ:逆に、食べ残しや黒いヘドロの回復量を少しでも高める"16n調整"というものもある。身代わりと組み合わせる型の場合は、みがわりを貼れる回数を増やす為にHP実数値4nを割けることも兼ねた"16n+1調整"というのが有名だ。オニゴーリでよく採用されている調整だね。H252振りにせず、BDに努力値をある程度回して、極限まで耐久力を高めている。
 
のん:奥が深いんですねえ...。
 
シズ:結果として相手の攻撃を耐える確率が僅かながら上昇する。1ターン長く生き残る可能性が増える。この積み重ねが勝敗を分けることは十分に起こり得るんだぜ。
  
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【11.火力指数・耐久指数を活用して他ポケモンとの相性を把握する
シズ:のんは火力指数・耐久指数ということばを知っているかな?
 
のん:いえ。初めて耳にしました。
 
シズ:この指数を活用することで、自分が使っているポケモンの火力・耐久が他のポケモンと比較して、どの程度のものかを具体的に把握することがが出来るんだ。
 
例えば、陽気ガブのげきりんの火力指数は32760 特化カイリューのしんそくが16320。16320 × 2 = 32640だから、陽気ガブのげきりんの火力は、おおよそカイリューのしんそく2発分の火力ということになる。
 
のん:なるほど。
 
シズ:ここで詳しく説明したから目に通しておくと良いだろう。この火力指数が頭に入っていると「自分のポケモンが誰の攻撃までなら耐えるか」といった情報や「もう少し耐久を厚くすることで耐えるからもう少し耐久に努力値を振ろうか」という育成時の判断材料にもなる。誰の攻撃は耐えないということも把握出来るのも役立つから、火力指数表をちょくちょく確認してみると良い。
例えば、珠ファイアローのブレバの火力指数のちょっと上にゲッコウガの珠ダストシュートがある。珠アローのブレバをギリギリ耐える調整だと、ダストシュートが2,3割の乱1になるんだが、ポケモンによってはダストシュート耐えまで耐久を振っても良いだろうな。
 
のん:はい。
 
シズ:自分のポケモンの火力を把握しておくことも対戦では役立つ。メジャーなポケモンの技火力と比べて、何割程度高いか低いかを把握しておくと、相手ポケモンが倒せるかどうかのおおまかな判断が出来るようになる。
 
のん:火力指数って便利なんですね。
 
シズ:ああ。例えば意地スカーフガブリアスのげきりん(指数36000)ギリギリ耐え調整しているポケモンがいたとして、その1.1倍の火力指数があれば、おおよそ5割の確率で倒すことが出来る。1.2倍なら8,9割程度にまで確率が上がる。ダメ計ツールを使えば正確な確率を算出できるんだが、覚えておいて損は無い。
 

のん:ギリギリ確定耐えのポケモンが、1.1倍の火力で5割程度の確率で落とせるんですか...。そう聞くと性格の火力補正って貴重なんですねえ。

 

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